”技術英検”を通して、簡潔な文章を書けるようになりたい人は多いのではないでしょうか?
「技術英検(旧:工業英検)」は、”翻訳と要約”に特化した試験で、技術系の専門用語や知識にまつわる英語力も測られる難関資格です。技術英検を取得することは、技術系の職場において、特許や取扱説明書などのドキュメントワークを円滑に進める上で必要不可欠な能力を身につけるための有効な手段です。
しかし、実用英検と比べるとややマイナーな資格であり、出回っている情報も少ないため、試験対策や参考書の選び方に迷う方も多く、効果的な対策法や受験の注意点を知る必要があります。
本記事では、技術英検の資格のメリット・デメリットや参考書の選び方について解説し、受験に向けての勉強方法や受験後のキャリアアップについても紹介します。初心者でもわかりやすく、技術英検の受験に役立つ情報が満載です。それでは行きましょう。
技術英検とは
技術英検(ぎじゅつえいけん、Technical English Proficiency Test)は、日本工業英語協会が主催する英語能力試験です。技術分野に特化した英語力を測定するため、主にエンジニアや研究者、ビジネスマンなどが受験することが多いです。
主に技術系の企業や研究機関、翻訳家などでの採用に活きる資格であり、技術分野に関する英語の読解・文章作成などの能力を測定します。
技術英検の試験内容
技術英検の内容を一言でいうなら「翻訳と要約」です。
技術英検の出題内容は、リーディング、ライティングの2技能となっており、リスニングとスピーキングのテストはありません。ただし、工学系の知識+それにまつわる専門英単語を広く抑える必要があり、非常に難易度が高い資格となっています。
また、試験では以下のような文書作成能力が求められます。
・できるだけ少ない語数で伝わる英文
・的確な名詞や動詞が使われている英文
・1回読めば理解できる英文
例えば、プロフェッショナル/準プロフェッショナルの試験内容は以下の通りで、「冗長な英文を端的にリライトする能力」が求められます。
大問 | 問題の内容 | 問題数 | 配点 | 解答形式 |
---|---|---|---|---|
1 | 英語長文(約800words)の英文要約 | 2 | 50点 | 記述式 |
2 | 和文(200~300字)英訳 | 1 | 30点 | 記述式 |
3 | 冗長和文(500字)の英文要約 | 1 | 40点 | 記述式 |
4 | テクニカルライティングの考え方 | 2~3 | 40点 | 記述式 |
5 | 冗長英文のリライト | 1~2 | 40点 | 記述式 |
技術英検を受けるメリット
技術英検では、非常に端的な英作文能力が求められるため、合格レベルの英語力が身についた時には、英訳/和訳を簡潔に行えるようになります。また、スピーディに英作文をできるようになるため、スピーキング能力も向上します。
◇通訳家
◇翻訳家
を目指す人にもオススメな資格となっています。
難易度はどれぐらい?
最難関であるプロフェッショナルの合格率はわずか3%で、TOEIC満点や英検1級よりも難易度が高いという合格者の方がいるほど難しい資格となっています。
階級は、プロフェッショナルから3級までの5つのレベルがあり、プロフェッショナルが最も難しく、3級が最も簡単です。2022年11月に実施された第130回技術英語能力検定の合格率と、その他補足情報は以下の通りです。
階級 | 合格率 | 合否基準 | 解答形式 | 旧名 |
---|---|---|---|---|
プロフェッショナル | 3% | 75%以上正解 | 記述式 | 工業英検1級 |
準プロフェッショナル | 17% | 60%以上正解 | 記述式 | 工業英検2級 |
1級 | 33% | 60%以上正解 | マークシート+記述式 | 工業英検準2級 |
2級 | 39% | 60%以上正解 | マークシート方式 | 工業英検3級 |
3級 | 60% | 60%以上正解 | マークシート方式 | 工業英検4級 |
技術英検の受験方法
技術英検の受験方法は2種類あります。紙で受験するPBT試験と、PCで受験するCBT試験です。ただし、CBT試験に対応しているのは2・3級のみです。
日本国内では、年3回実施され(3月、6月、11月)、日本国外でも受験が可能です。受験申込みは、一般財団法人日本技術能力検定協会のウェブサイトから行うことができます。
受験料は、プロフェッショナル・準プロフェッショナルが17,000円、1級が9,000円、2級が6,900円、3級が3,600円です。
試験は7都市で受験可能ですが、毎回すべての会場で試験が行われているわけではないので、注意が必要です。(札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、広島、福岡)
技術英検の対策方法
技術英検には、以下の受験対策が効果的です。
①過去問を解きまくる
②簡潔な英作文をする技能を身につける
順番に見ていきましょう。
①過去問を解きまくる
試験勉強において過去問の活用は重要です。
東大王の河野玄斗さんも、資格勉強をする際には、”解けなくてもいいから、まずは過去問に取り組む”ことを推奨されています。
過去問を受けることで、自分がどの程度の英語力を持っているのか、どの大問が不得意なのかを把握することができます。また、過去に出題された問題を解くことで、出題傾向や問題形式を把握し、対策に役立てることができます。
技術英検の過去問集は1級以下のみ販売されており、準プロフェッショナル以上を受験される方はセミナーなども併せて学習を進められているようです。
プロフェッショナル/準プロフェッショナルに合格された方が、1級以下の教材も役に立ったと仰っていました。下級の教材も合格への道を切り開いてくれるんですね。基礎力が大切。
②簡潔な英作文をする技能を身につける
先にも述べた通り、技術英検では「翻訳と要約」をスピーディに行うことが求められます。つまり、テクニカルライティングの技術が必要になります。
以下の書籍でテクニカルライティングを学ぶことができますので、正確かつ簡潔な英作文ができる土台作りに役立ててください。
また、「理工学系の英単語をまとめて抑えたい」という方にはCOCETがおススメです。ややマイナーな書籍ですが、通常の単語帳とは異なり、理工学系の英単語に特化した内容となっているため、技術系の勉強を併せて進めたい人の手助けになるはずです。
技術英検の資格のメリット・デメリット
技術英検を取得することによって得られるメリットは、以下のようなものがあります。
・技術系の専門用語や知識を英語で理解できるようになる
・海外の技術関連企業で働くための英語力を証明できる
・海外での留学や研究に必要な英語力を養える
一方、デメリットとしては、以下のようなものが挙げられます。
・受験費用や勉強費用がかかる
・合格率が低いため、合格までの期間が長引く場合がある
技術英検を受験するかどうかは、自分自身が技術系の仕事に就くかどうか、海外で働くかどうか、留学するかどうかなど、将来のキャリアプランによって考える必要があります。
まとめ
今回の記事では、技術英検の概要と学習方法についてお話しました。
合格に向けて、まずは過去問題集を活用することで、効率的に学習を進めることができます。また、過去問題集で解けなかった問題に応じて、基礎テキストや単語帳、オンライン英会話なども活用することにより、速く/正確で/簡潔な英語力を身に付けることができます。
技術英検に合格することで、技術系の職場でのコミュニケーション力やグローバル人材としての価値を高めて行きましょう。
私は、実用英検2級から淡々とステップアップしていこうと思います。(技術英検プロフェッショナルを受けたかったけどレベル高すぎた…)
ブックマークするかどうかはお任せしますので、よろしければもう一つ、StrixHiroの記事をご覧いただけると非常に嬉しいです。以上、StrixHiroでした。