【食べても太らないを科学的解説】絶対に知っておきたい太りやすい人と太りにくい人の違い

eyecatch-difference-between-fat-and-healthy
Strix Hiro
Strix Hiro

皆さんの周りに、たくさん食べても太らない人っていますよね

スタイルのいい兄弟姉妹。皆から好かれているクラスのあの子…自分と同じような、食事、運動をしているはずなのに、自分よりスタイルがイイ人。あなたの周りにもいませんか?

実は、この”同じ食事を摂取した結果、なぜか太ってしまう人と、なぜか太りにくい人がいる”という現象は、摩訶不思議な都市伝説なんかではなく、事実として存在しているかもしれないということが、海外の研究でわかってきました。

今回の記事を最後まで読めば、”同じ食事をしているのに、太りやすい人と、太りにくい人がいる理由”が分かります。ぜひ、今回の記事読んで、今後のダイエットに活かしていってください。

それでは行きましょう!

スポンサーリンク

そもそも、太る原因って?

実は、人間が太ってしまう原因は未だに明らかになっていません。ただ、現時点での有力な説は、「摂取カロリーが、消費カロリーを上回ってしまった時に、余剰カロリーが脂肪として、体に蓄えられてしまうから(1)」(Tudor Bompa Institute, および The Cardiometabolic Research Institute)だと考えられています。

Question

また、上記とは異なった説として、「炭水化物の摂取量が多いと、インスリンが増加し、エネルギー消費の効率が落ちた結果、より多くの余剰エネルギーが生まれ、脂肪がつきやすくなって肥満になるんだ!(2」(The New Balance Foundation Obesity Prevention Center)という主張もされております。

要するに、摂取したカロリーのうち、消費しきれなかったカロリーは脂肪に変わるし、特に炭水化物を余剰摂取するとより太りやすくなっちゃうということです。これは、割とイメージ通りだという人が多いのではないのでしょうか?

【図解】炭水化物がエネルギーおよび脂肪に変わるメカニズム

ここで、炭水化物がエネルギーと脂肪に変わるメカニズムをおさらいしておきましょう。

スイスのローザンヌ大学が発表した論文(によると、炭水化物に含まれる一部の糖類(デンプンなど)は、アミラーゼやマルターゼといった酵素によって分解され、最終的にブドウ糖として小腸から体に吸収されていきます。そして、体に吸収されたブドウ糖は、内臓や筋肉でエネルギー源として使用され、使用しきれなかったブドウ糖は、グリコーゲンへと姿を変え、肝臓や筋肉に貯蔵されます。

Mechanism-of-digesting-carbohydrates

しかし、肝臓や筋肉の貯蔵量にも限界があるため、貯蔵しきれなかったブドウ糖は脂肪に変換されたうえ、体に貯蓄されていくというメカニズムです。これらのフローを簡単に図示すると以上のようになります。

こさかくん
こさかくん

む、難しい言葉が多くてわかんないよ。。。

Strix Hiro
Strix Hiro

別の記事で、難しい言葉をできるだけ省いて説明しているから、下のリンクから読んでみてね!

代謝が悪い人 = 太りにくい人 ?!

ここから本題ですが、肥満×食事量×遺伝について調べた、スウェーデンのイェーテボリ大学などが発表した研究(4)が非常に有益でした。こちらの研究では、74,138人を対象として食事、ライフスタイル、身体データなどを収集し、約16年間の追跡調査をしたものとなっています。

最終的には、信頼性の欠けるデータなどを除外して、4,800人分のデータが使用されていますが、この研究により、AMY1遺伝子のコピー数が少ない人の方が、多量のデンプンを摂取していた場合、AMY1遺伝子のコピー数が多い人よりも、BMIが低い傾向にある。ということがわかりました。

gene

AMY1遺伝子というのは、デンプンを分解する酵素の一つであるアミラーゼを生成する遺伝子のことです(5)。AMY1遺伝子のコピー数が少ないと、アミラーゼの数も少なくなり、AMY1遺伝子のコピー数が多い人よりも、時間あたりにブドウ糖を取り出せる量が少なくなります。これは、食べたものをエネルギーに変換するのが遅い人=代謝が悪い人と言い換えることができると思います。

上記の説明を要約すると、代謝が悪い人のほうが、食べ過ぎたときに太りにくい傾向があるというこ都ができると思います。さらに、著者は上記の研究の中で、下記のようなコメントを残しています。

デンプンの摂取量が多い場合、AMY1遺伝子のコピー数が少ない参加者は、BMIと体脂肪率が低くなっていました。これには、腸内に未消化のデンプンが多く含まれていた可能性が考えられます。また、予期せぬことに、ある研究ではAMY1遺伝子のコピー数が多い人よりも、食後の血糖値が高いことや、腹部の膨満感が強い傾向も確認されています。今回の研究結果は、AMY1遺伝子のコピー数が少ない人が、高デンプン食に完全に適応していないことを示唆しているかもしれません。

Gull Rukh, Ulrika Ericson, Johanna Andersson-Assarsson, Marju Orho-Melander, Emily Sonestedt,  https://doi.org/10.3945/ajcn.116.149831

AMY1遺伝子のコピー数が少ない人は、食べても太りにくいメリットがあるといっても、良いことばかりではないということですね。。。肥満の原因が100%遺伝のせいというわけではないですが、一つの指標になるのではないでしょうか。

まとめ:太りやすい人と太りにくい人の違いは、遺伝にあった!?

今回の記事では、太りやすい人と太りにくい人の違いについて解説しました。記事の内容をまとめると、以下のようになります。

  • 同じ食事量でも、太りやすい人と、太りにくい人は確かに存在すると思われる
  • 遺伝的にデンプンの代謝機能が低い人の方は、食べ過ぎたときに太りにくい傾向がある可能性が高い
  • ただし、遺伝的に代謝機能が低い人は、そうでない人と比較して、食後の血糖値上昇が顕著であったり、腹部膨満感が強いといったデメリットもある

”食べ過ぎても太らない”という観点においては、代謝が悪い人の方が有利だというのは、面白い結果だったのではないでしょうか。とは言え、実際には遺伝だけが肥満と関わりがあるわけではなく、生活習慣、生活環境、食事のスタイルなど、様々なことが肥満との関係を成しているということには、留意しておきたいですね。

疑問

今回の話を聞くと、

うしおくん
うしおくん

そもそも、自分のAMY1遺伝子のコピー数が多いのか少ないのかなんてわからないよ!

ろくまくん
ろくまくん

じゃあ、代謝が良い人はダイエットに不利なの?

といった、考えを抱く方もいらっしゃると思いますが、そのあたりの話については今後調査を進める予定です。

皆さんがより良い健康ライフを歩めるように、StrixHiroBlogでは引き続きアンチエイジングや、健康に関する情報を発信していきます。

Strix Hiro
Strix Hiro

これからも一緒に、健康に関する知識を深めていきましょう!

以上、StrixHiroでした。